★改正の経緯
同一労働同一賃金の施行から5 年が経過したことを踏まえ、昨年2月から見直しに向けた議論が行われてきました。現行のガイドラインの策定後、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差に関する複数の最高裁判決が出されたこともあり、その内容を盛り込む形で、ガイドラインの内容の見直しが行われました。
★改正のポイント
今回改正された項目は以下の9つです。現行のガイドラインから記載が充実されたものと、項目として新規に追加されたものとがあります。
• 賞与(記載の充実)
• 退職手当(新規追加)
• 無事故手当(新規追加)
• 家族手当(新規追加)
• 住宅手当(新規追加)
• 福利厚生施設(記載の充実)
• 病気休職(記載の充実)
• 夏季冬季休暇(新規追加)
• 褒賞(新規追加)
これらの中から、新規に追加された退職手当、住宅手当および夏季冬季休暇について、ガイドラインに示されている内容をみてみましょう。
【退職手当】
支給目的には労務の対価の後払い、功労報償等の様々な目的が含まれます。これらの目的が妥当するにもかかわらず、パートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員との間の職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた内容を支給しない場合、不合理と認められる可能性があります。
【住宅手当】
住宅手当が「転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの」である場合、正社員と同一の転居を伴う配置の変更があるパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の住宅手当を支給しなければならない。
【夏季冬季休暇】
パートタイム・有期雇用労働者にも、正社員と同一の夏季冬季休暇を付与しなければならない。
見直しに当たって留意すべき点
過去の最高裁判決では、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間に待遇の相違があったとしても、正社員人材確保論から不合理ではないと認められたものがありましたが、改正ガイドラインでは、正社員人材確保論のみをもって、待遇差が不合理ではないと当然に認められるものではないという考えが示されました。待遇差が不合理と認められるか否かは、その待遇の性質・目的にも照らして判断されるものであるとしています。そのため、性急に対応することよりも、均衡待遇が取れているかどうかの分析が重要になるかと思われます。
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